佐野洋子さんの『神も仏もありませぬ』に感動しました。

佐野洋子さんの『神も仏もありませぬ』(2003)筑摩書房を読み、感動しました!この本は、『100万回生きたねこ』で有名な絵本作家、佐野洋子さんの珠玉のエッセー集です。この作品には、群馬県浅間山麓での実生活や自分の過去が赤裸々に綴られ、含蓄のある言葉がそこかしこに記されています。おもなテーマは、若さと老い、死、自然、生きる意味です。痛快で、しかも心がじんわり温まります。「小林秀雄賞」(2004年)受賞作品です。
 老いや死は、容赦なく身近に迫ってきます。執筆当時、著者は痴呆症の高齢の母親を老人ホームに預けていたそうです。いったい、どのように老い、死ねばよいのでしょう。生きる意味とは?これら永遠の問いに対する答えのヒントが、この作品にちりばめられています。男女を問わずお勧めします。ゆっくり味わいながらお読み下さい。